【連載企画】岡崎でラリージャパンを楽しもう、盛り上げよう Vol.7

皆さんこんにちは。岡崎市出身のモータースポーツ”カメライター”の青山義明です。

モータースポーツ・シーンも活況の8月です。昨年に引き続いて特に夏休みもお盆もなくなってしまった私は、フランスに渡り、ル・マン24時間レースの取材をしてきました。隔離期間などもあったので、このひと月をほぼル・マン関連で過ごすこととなってしまいました。そんなわけで、普段ここではラリー関連のお話をさせていただいておりますが、今回はこのル・マンのレースのことを中心にお話ししましょう。

実は今回のル・マン取材は、中嶋一貴選手が在籍するTOYOTA GAZOO Racingの取材ではなく、ル・マン本戦へ挑戦する障がい者チームの密着でやってきました。でもパドックで一貴選手にお会いすることもあり、とりあえず一枚、一緒に撮ってもらいました。

すでに恒例となっていますが、今年もTOYOTA GAZOO Racingのピット内には岡崎公園内にある龍城神社のお札がまつられています。

<筆者プロフィール>
1969年生まれ、岡崎市藤川町出身。四半世紀近くフットワーク軽く、国内外のレース取材を積極的に行なっているモータースポーツ・カメライター(フォトジャーナリスト)。日本出国前の書類作成や現地に入ってからのPCR検査(サーキットに入るために2回、日本帰国のための1回と今回は都合3回の検査となりました)、さらには帰国後の隔離とこれまで以上に何もできない時間が多く、エアチケットも高く出費もあるし、で散々です。岡崎でもワクチン接種も始まっていますが、早く以前のようになるといいのですけどね。

岡崎市出身 中嶋一貴選手の4連覇も掛かっていたのですが…

ル・マン24時間耐久レース。ご存知の方も多いと思いますが、世界三大レースのひとつと言われていて、今回で89回目という長い伝統を持つレースです。FIAWEC(世界耐久選手権)シリーズの一戦に組み込まれていて、そのWECシリーズのメインイベントとなります。このレースが行なわれるサルト・サーキット(正式名は、ル・マン24時間サーキット)は、ブガッティ・サーキットという常設のコースの一部とその周囲の市街地公道を組み合わせたもの(1周13.626km)で、この24時間レースの時だけ出来上がる特別なサーキットです。

ル・マンの市街地コース。レース期間中閉鎖されますが、普段は一般道として使用されている道路だけに、この時期はコースが着々と作られていく様子もみられます。

COVID-19の感染者数も多いですが、フランスは完全に経済活動に舵を切っている印象です。このル・マンの会場の観客も非常に多かったですね。

現地に到着してもすぐにサーキットに入ることができません。サーキットに入るためにはPCRテストで陰性が証明されなければならなかったりして時間もかかります。

ル・マン戦、通常は夏至の頃の開催なのですが、今年も昨年に引き続いて開催日が変更され、丸々2か月後ろ倒しとなる8月21日から22日となりました。開催日が変更となったことで、日の出ている時間も短縮され、太陽の高さも位置も変わることとなりました。このレースウィークの日の出時間は朝の7時、日の入り時間は夜9時過ぎ(サマータイム)となります。夜の時間が長くなったことで、ドライバーも必ず夜間走行をするよう最低周回数が決められたりしています。また、昨年は無観客で開催されましたが、今年は最大5万人の制限付きで観客も入りました。フランスのバカンスシーズンだったこともあり、ちょっと驚くほどの人々がコースサイドに陣取っていました。このご時世に? と心配になるほどです。

ル・マン24時間レースには、プロトタイプと呼ばれるレーシングカーと市販車に近い形のGTカーが参戦します。プロトタイプのLMP1クラスと分けられていた車両は今年からハイパーカー(LMH)という新レギュレーションの車両に変更となっています。トヨタGAZOO Racingはこの変更に合わせて昨年までのTS050 HYBRIDから、ハイパーカーGR010 HYBRIDに車両を変更。すでにWECシリーズに参戦しており、開幕から3連勝(このル・マンがWECの第4戦となります)を挙げており、このル・マンでも直前のテストデーや練習走行からその速さを見せつけていました。

予選、そしてハイパーポールの2段階予選で89回目のル・マン24時間レースのフロントロウを獲得したのがそのGR010でした。ポールポジションを獲得したのが、まだル・マンで勝ったことのない7号車(小林可夢偉組)、それに続くのが、今回4連覇がかかっている8号車(中嶋一貴組)でした。

スタート前に雨が降ってきて、ヘビーウエット路面からドライ路面に変わっていく展開となったレース序盤、スピンや接触が相次ぎ、非常に荒れた展開となりました。

スタート前に雨が降ってきて、ヘビーウエット路面からドライ路面に変わっていく展開となったレース序盤、スピンや接触が相次ぎ、非常に荒れた展開となりました。

今年もトヨタが強かった、というのが印象ですね。WECに今季から導入されているハイパーカーで、初のル・マン制覇となったのはもちろんトヨタGR010 HYBRIDです。

今年もトヨタが強かった、というのが印象ですね。WECに今季から導入されているハイパーカーで、初のル・マン制覇となったのはもちろんトヨタGR010 HYBRIDです。

今年もトヨタが強かった、というのが印象ですね。WECに今季から導入されているハイパーカーで、初のル・マン制覇となったのはもちろんトヨタGR010 HYBRIDです。

個人的には8号車の4連覇を期待したわけですが、まさかのオープニングラップに他車に追突されてしまいます。それによって、いったんは最後尾にまで順位を落としてしまいます。すぐに順位は挽回したものの、さらに他車との接触や燃料系トラブルなどが続いてしまいました。それでも最終的には7号車の2周遅れでチェッカーを受け、TGRのワンツーフィニッシュという形でレースは終了し、表彰台には日の丸が2本並ぶこととなりました。

ル・マンで不運続きであったGAZOO Racingの7号車はテストデーから好調で、ついに優勝を果たしました。一方の8号車はオープニングラップから追突されるなど波には乗れないまま、4連覇とはなりませんでした。

ル・マンで不運続きであったGAZOO Racingの7号車はテストデーから好調で、ついに優勝を果たしました。一方の8号車はオープニングラップから追突されるなど波には乗れないまま、4連覇とはなりませんでした。

WRCも後半戦へ

2021年FIA世界ラリー選手権(WRC)も、7月15日~ 18日の第7戦ラリー・エストニア、そして8月13日から15日の第8戦イープル・ラリー・ベルギーと続き、シーズンも後半に入ってきました。ベルギーではヒュンダイi20にやられてしまいましたが、ヤリスWRCは好調でこれまで8戦中6勝を挙げており、マニュファクチャラー選手権では首位の座をキープしています。

また、WRCドライバーを目指す日本人若手ドライバー育成のプログラム「WRCチャレンジプログラム」がドライバー募集を始めました。モータースポーツ経歴のある14歳~24歳の方を対象に、10月8日(金)までオンラインで募集を行なっています。書類選考で選ばれたドライバーは、11月に富士スピードウェイでの実技テスト、これを通過したドライバーは2022年1月にフィンランドで最終選考を実施するということです。「明日の勝田貴元を目指す」なんて夢、いいですね。私もあと30歳若かったら応募するのですけどねぇ(笑)

2021年のWRCも、この後はギリシャ、フィンランド、スペインを周るわけで、残すところあと4戦。あと2か月半もすればラリージャパンです。

2021年のWRCも、この後はギリシャ、フィンランド、スペインを周るわけで、残すところあと4戦。あと2か月半もすればラリージャパンです。

2021年のWRCも、この後はギリシャ、フィンランド、スペインを周るわけで、残すところあと4戦。あと2か月半もすればラリージャパンです。

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